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掲載されていない、または中身のないアクセシビリティ方針
支援技術で何が使えるか、何が使えないと分かっているか、誰に伝えればよいかを説明するページがないか、WCAGに適合しているとだけ書いたページしかありません。
問題
問題にぶつかった人が、それが既知の問題か、どう回避すればよいか、誰に伝えればよいかを知ることができず、目的を果たせないまま離れてしまいます。
小さなオンラインショップ Fernleaf Tea は、購入手続きで配送日を尋ねます。日付はカレンダーから選びますが、このカレンダーはマウスでクリックしたときだけ開き、スクリーンリーダーでは読まれません。ショップの担当者はこの問題を知っています。前回の試験で見つかり、修正は年明けの予定です。
キーボード利用者はカレンダーまで進みますが、開けません。サイトがふつう助けを置くページの下部を探しても、著作権表示しかありません。カレンダーが既知の問題であることも、日付を空欄にすれば最短の日に届くことも、メールで注文できることも、どこにも書かれていません。利用者は、カートに商品を入れたまま離れます。
同じくらいよくある、もう一つの形もあります。フッターに「アクセシビリティ」のリンクはあるものの、リンク先には「Fernleaf Teaはアクセシビリティに取り組んでいます。当サイトはWCAG 2.1のレベルAAに適合しています。」の一文しかありません。問題も、別の注文方法も、連絡先も、日付もなく、カレンダーが満たしていない適合を主張しています。
WCAGには、アクセシビリティ方針(アクセシビリティステートメント)を求める達成基準がありません。そのため、WCAGのチェックにすべて合格したサイトでも、この点では不合格になります。この要件は、調達の規格と、それを基にした法律から来ています。
- EN 301 549 の12.1.1は、製品の文書が、アクセシビリティと互換性の機能を挙げ、その使い方を説明することを求めます。12.2.2は、サポート窓口が同じ情報を提供することを求めます。
- Section 508 の602.2も、サポート文書に同じことを求めます。内蔵のアクセシビリティ機能と、支援技術と連携する機能を挙げて説明することです。
- EUでは、公的機関が、欧州委員会の実施決定2018/1523に定められた形式で方針を公開しなければなりません。2025年6月28日に適用が始まった欧州アクセシビリティ法も、対象となるサービス(オンラインショップを含む)に、要件をどう満たしているかの公開を求めています。
これらの条項は製品とその説明書を想定して書かれていますが、ウェブサイトでは、方針のページがその情報の置き場所になります。二つの壊れたページは、どちらも満たしていません。一つ目は何も説明せず、二つ目は機能も問題もサポートも説明していません。二つ目は、何もないより悪い面もあります。完全に適合しているという主張は、行き詰まった人に、問題は自分の側にあると伝えてしまいます。
どのサイトにも、どこかに問題はあります。方針のページは、それがどこにあり、代わりに何をすればよいかを伝える唯一の場所です。これがないと、問題にぶつかった人はそれぞれ一人で行き詰まり、ショップには何も届きません。
10グループ中10グループに影響
- 全盲 (影響あり)
- 弱視 (影響あり)
- 色覚 (影響あり)
- ろう (影響あり)
- 難聴 (影響あり)
- 発話 (影響あり)
- 手の操作 (影響あり)
- 届く範囲・力 (影響あり)
- 認知 (影響あり)
- 光過敏 (影響あり)
- 手の操作が限られる 配送日のカレンダーを開けないキーボード利用者は、日付を空欄にすればよいことも、メールで注文できることも知る方法がなく、カートを残したまま離れます。
- 視覚を使わない 同じカレンダーにぶつかったスクリーンリーダー利用者は、壊れているのか自分の操作が違うのか判断できず、尋ねる相手も見つかりません。
- 視覚が限られる 購入手続きが横にスクロールするほど拡大した人は、それが既知の問題か、ほかにどう注文できるかを知ることができません。
- 聴覚を使わない 字幕のない商品の動画にぶつかったろうの利用者は、書き起こしがあるかを知ることができず、連絡先が電話番号だけなら問い合わせることもできません。
- 聴覚が限られる 動画の小さな語りを聞き取れない人は、字幕が追加される予定か、どこで内容を尋ねればよいかを知ることができません。
- 色を知覚しない 選んだサイズが色だけで示されていて見分けられない人は、そのことを説明し、別の確認方法を示すページを見つけられません。
- 発話を使わない 話すことができない人は電話を使えないため、文字で連絡できる窓口がどこにも書かれていなければ、問題を伝える方法がありません。
- 届く範囲・力が限られる ページが想定するとおりに操作要素に届いたり押したりできない人は、注文を終える別の方法も、伝える相手も見つけられません。
- 言語・認知・学習の能力が限られる WCAGに適合しているとだけ書いたページは、行き詰まった人に「問題は自分の側にある」と伝え、次に何をすればよいかを何も示しません。
- 光過敏性発作 点滅する内容を避けなければならない人は、どのページにそれがあるかを前もって知ることができません。何を確認したかがどこにも書かれていないためです。
WCAGの基準にないため、axe などのチェックツールは方針のページについて何も言いません。この診断では、渡されたすべてのページから、方針へのリンクを探します。「アクセシビリティ」「アクセシビリティ方針」などの名前(英語と日本語)のリンクか、アドレスに「accessibility」を含むリンクです。どのページにもない場合は、指摘ではなく確認の手がかりとして報告します。診断に渡されていないページからリンクしているか、フッターの「ヘルプ」からつながるヘルプページに載っている可能性があるためです。方針の中身は判断できません。挙げた問題が実際のものか、主張が試験の結果と合っているか、メールに誰かが返信するかは分かりません。
AIツールや方針の作成ツールは、数秒で整ったページを書きます。そこに危うさがあります。「アクセシビリティ方針」を頼むと、取り組みの宣言とWCAGへの適合を書きます。事実がなくても書ける部分だからです。行き詰まった人の役に立つ部分、つまり分かっている問題、それを回避する方法、返信する連絡先は、サイトを試験し、実際に対応する人に確かめることでしか書けません。
試してみる
配送日のカレンダーが開けないとします。代わりに何をすればよいか、誰に伝えればよいかを探してください。
ショップの下部を見て、そこにあるリンクをたどってください。ウィンドウの下の欄に、見つかったものが出ます。「問題2」には、主張だけを書いた「アクセシビリティ」のページがあります。「Fernleaf Tea」を押すと購入手続きに戻ります。
問題あり 修正できますか?
購入手続き
見つかったもの
- カレンダーの問題が既知かどうか
- 別の注文方法
- 誰に伝えるか、いつ返事が来るか
- 最後に確認した日付
修正方法
何が使えて、何が使えないか、どう連絡すればよいかを公開し、すべてのページからリンクします。
- 1アクセシビリティの情報か、それを載せたヘルプページに、すべてのページの同じ場所からリンクする。
- 2分かっている問題を平易な言葉で一つずつ挙げ、作業を進める別の方法を添える。
- 3連絡手段、返信までの目安、最後に確認した日付を書く。
アクセシビリティについてのページがない
<footer> <p>© 2026 Fernleaf Tea</p></footer>すべてのページからリンクした方針のページ
<footer> <a href="/accessibility">アクセシビリティ</a> <p>© 2026 Fernleaf Tea</p></footer> <!-- /accessibility --><h1>アクセシビリティ</h1><p>Fernleaf Teaは、誰もが買い物できるサイトを目指しています。このページでは、支援技術でどの程度 使えるか、まだ使えないと分かっている部分、連絡方法を説明します。</p> <h2>このサイトのアクセシビリティ</h2><p>WCAG 2.2のレベルAAを目標にしています。現在は一部を満たしています。「まだ使えない部分」に 挙げた箇所は満たしていません。</p> <h2>使える機能</h2><ul> <li>下に挙げたカレンダー以外は、キーボードだけで操作できます。</li> <li>文字を200%まで拡大しても、内容が欠けません。</li> <li>商品の動画には字幕があり、CCボタンで表示できます。</li></ul> <h2>まだ使えない部分</h2><ul> <li>購入手続きの配送日のカレンダーは、キーボードとスクリーンリーダーで操作できません。 日付を空欄にすると最短の日にお届けします。ご希望の日付をメールでお知らせいただくこともできます。 2027年1月31日までに修正する予定です。</li></ul> <h2>問題のご連絡</h2><p>サイトの操作で困ったときは、<a href="mailto:[email protected]">[email protected]</a> へのメールか、<a href="tel:+15550100">+1 555 0100</a> へのお電話でご連絡ください。2営業日以内に お返事します。メールやお電話でも、同じ価格でご注文を承ります。</p> <h2>試験の方法</h2><p>自社のチームが、自動チェック、キーボード、スクリーンリーダーのNVDAで試験しました。</p><p>最終確認日:<time datetime="2026-09-30">2026年9月30日</time></p>サイトが支援技術でどう使えるか、何が使えないと分かっているか、どう助けを求めればよいかが、どのページにも書かれていません。そのため、カレンダーの問題を回避する方法を誰も見つけられません。
このページは、行き詰まった人が知りたいことに、知りたい順に答えます。既知の問題かどうか、作業を進める別の方法、誰に伝えるか、いつ返事が来るかです。すべてのページのフッターから同じ語でリンクしているため、どこで行き詰まっても見つけられます。
どちらも要件を満たし、書く内容も同じです。独立したページには、長い問題の一覧、機能ごとの説明、試験の方法を書く余裕があり、EUの公的機関が欧州委員会のひな形で公開しなければならないのもこの形です。ヘルプページのセクションは、すでに管理しているページに見出しを一つ加えるだけで済み、何かが壊れたときに利用者が向かう場所にあります。分かっている問題が一つか二つの小さなサイトに向いています。法律が方針を求める場合や一覧が長い場合はページを、利用者がすでにヘルプページを見る場合はセクションを選んでください。
目標ではなく、最新の試験の結果から書きます。問題の一覧は、診断で見つかった未修正の問題を平易な言葉にしたもので、それぞれに代わりの方法と、分かる場合は修正の時期を添えます。修正を公開したら一覧から外し、「一部」を「すべて」に変えるのは、試験でそう確認できたときだけにします。
できれば連絡手段を複数用意します。どの手段にも、使えない人がいるためです。
- メール:電話で聞いたり話したりできない人に届き、やり取りの記録も残る。
- 電話:文章を書くことや、サイトそのものが障壁になっている人に届く。
- フォーム:フォーム自体がキーボードとスクリーンリーダーで使え、CAPTCHAの後ろに置かれていないこと。
誰が、いつまでに返信するかを書き、その人が実際に対応できるようにします。メールで同じ価格の注文を受ける、別の形式で文書を送る、修正できる人に問題を伝える、といった対応です。
自社で作っていない部分も書きます。他社の決済ページ、チャットウィジェット、予約ツールにも、それぞれの問題があり得ます。どれに問題があるか、提供元に何を依頼しているか、それまでの別の方法を書きます。
リンクは、ヘルプのリンク全般についてページごとに位置が変わるヘルプで説明しているとおり、すべてのページで同じ場所に、分かりやすい語で置きます。メニューの奥やアイコンの後ろに隠さず、「アクセシビリティ」と書きます。ヘルプページにセクションを置く場合は「ヘルプ」と書きます。複数の言語のサイトでは、それぞれの言語で方針を用意します。
法律が形式を定めている場合は、それに従います。EUの公的機関はひな形を使い、そこには苦情の手続きと申し立て先も含まれます。それ以外のサイトは、同じ項目を尋ねるW3Cの作成ツールから始められます。日本では、2024年4月から事業者にも、申し出があった場合の合理的配慮の提供が義務になりました。方針に書いた連絡手段は、そうした申し出が届く窓口にもなります。オーバーレイ製品の提供元が書いた「完全準拠」のバッジや方針は載せないでください。誰も試験していない内容を主張することになります。
見直す日を決めておきます。アクセシビリティの試験の後、デザインの変更の後、少なくとも年に一度見直し、そのたびにページの日付を更新します。
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修正の確認
マウスを使わない4つの確認
確認方法: キーボード、スクリーンリーダー、ズーム
OS、ブラウザーと支援技術のバージョン、ビルド、実施日、各手順の実際の結果を記録してください。アクセシビリティの試験の後や、問題を修正したり新たに加えたりするリリースの後に、再度確認します。
制限
このサンプルは出発点となる実装例で、法的な助言ではありません。方針に何を書くべきか、誰が公開すべきかは、国や組織の種類によって異なります。方針は問題を直すものでも、サイトを適合させるものでもありません。利用者が問題に一人でぶつからないようにするだけです。このガイドは、ウェブサイトが自らのアクセシビリティについて示す情報を扱います。ハードウェアやソフトウェアの説明書とその利用しやすい形式(EN 301 549 の12.1.2、Section 508 の602.3と602.4)や、サポート窓口が利用者のコミュニケーションの必要にどう応えるか(Section 508 の603.3)は扱いません。実際に対象とする支援技術で、操作全体を確認してください。
よくある問題を再現した学習用のサンプルです。実在のクライアントの診断結果ではありません。コードは出発点となる実装例のため、実際の製品でも確認してください。ここでは支援技術でのテスト結果は報告していません。
コードを更新しても、使いやすさを保つために
ガイドの内容を、コーディングエージェントやCIで使える開発ルールにまとめます。更新後は、キーボードとスクリーンリーダーで再テストし、問題が再発していないか確認します。